認知症の原因や、症状、認知症患者への対応方法、治療方法など。自分が認知症にならないためになど。

治る認知症、治らない認知症

治療をすれば治る認知症の代表例は「続発性水頭症」に
より認知症状が現れた場合です。

「水頭症」とは、脳室と呼ばれる脳や脊髄の空間が、普通より異常に
拡大していることです。
これは、CTを撮ればすぐに発見できます。

先に述べた、外傷による「水頭症」による認知症は、
頭に外部からの損傷を受けた結果、認知症に至るもので、
いわゆる「外傷性疾患」により、認知症が引き起こされる
ものに分類できます。

一般に臨床上、認知症を引き起こす疾患は、以下のように


多数の認知症の患者さんを診てきた経験上、認知症が
治る可能性があると言えるのは、前項の認知症の分類の中で、
5の代謝、内分泌の疾患による認知症と6の外傷性疾患による
認知症です。

それも、元となる疾患や外傷の治療が的確に行われた

逆に、1の脳の変性による認知症や、2の混合性認知症、
そして1と2の合わさったような3の混合性認知症は、
治る可能性がほとんどないと言えます。

このことをあらかじめ、認識しておかないと、いつかは、
治るものと楽観視しているうちに、適切な対処が遅れたり、

「認知症かもしれない」

そう疑って、専門医を訪れることも最近では珍しいこと
ではなくなりました。

自分では認知症の自覚がないままご家族に連れて来られる方も
いれば、自ら認知症を疑って病院を訪れて来る方も近年増えて

「治る見込みのない認知症」だからと言って、もう
いくら治療しても仕方のないことなのだから、病院に
通い続けるのは無駄、と考えてしまうことも良く見られ
ますが、この考え方は間違いです。

どんな大段階の認知症であれ、病院に通っていれば、

脳実質そのものが萎縮してしまう、つまり脳を構成している
細胞そのものが変性(破壊)されてしまった結果起こる
アルツハイマー型認知症は、通常、治らない認知症として
認識されます。

しかし、診断当初に「治らない」と説明を受けても、その後の

アルコール病棟の患者さんを受け持っていた頃、
長年のアルコール依存症のために、脳もダメージを受け、
認知症化してしまった方が何人もいらっしゃいました。

しかし、このようなアルコール関連認知症の場合、
アルツハイマー型認知症とちがって、脳実質を構成する

認知症が治るか治らないかを決めるのは、根本的には、
認知症を引き起こした原因となる疾患が軽いか重篤であるか、
ということです。

にもかかわらず、臨床現場において認知症と診断された
患者さんを目の当たりにしていると、認知症が治る、

医師より認知症と診断され、治る見込みはない、と
告げられると、ご家族はどのような反応を示すでしょうか?

絶望感を感じると同時に、今後の対応に不安を覚えます。

介護の問題、施設入所にかかる費用の負担など、
様々なことがのしかかってきて、ご家族自身も