認知症の原因や、症状、認知症患者への対応方法、治療方法など。自分が認知症にならないためになど。

アルコール関連認知症が悪化する例

アルコール病棟の患者さんを受け持っていた頃、
長年のアルコール依存症のために、脳もダメージを受け、
認知症化してしまった方が何人もいらっしゃいました。

しかし、このようなアルコール関連認知症の場合、
アルツハイマー型認知症とちがって、脳実質を構成する

細胞そのものが変性してしまっているわけではありません。

そのため、アルコール依存症に対する治療を徹底し、
「飲酒は金輪際、一滴もしない」、ということを患者さん
自身が自覚し、実行すれば、認知症状も改善していく
見込みがあります。

しかし、中には残念ながら、飲酒がやめられず、身体自体は
健康なのに、アルコールにより脳が元に戻らないほどの
ダメージを受けてしまって、結局治らない認知症に陥って
しまう方も大勢いらっしゃいます。

事実、アルコール依存症で何度も入院される患者さんの
約半数は、高齢になればなるほど、認知症状が目立って
きます。

つじつまの合わない言動、夜の徘徊、記憶力の減退など、
認知症特有の症状が見られるほか、脳自体もアルツハイマー型認知症
と見分けがつかないほど、萎縮してしまってきます。

日常生活で自力で行えることが限られてくるようになり、
ご家族の負担も増すため、結局家ではめんどう見切れず、
介護施設や長期療養型の病院に入ることを余儀なくされます。

一般に若い時からアルコール依存症に陥っている方ほど、
認知症になる確率も大きくなります。

アルコール関連認知症は、脳病理学的には治る認知症である
にもかかわらず、アルコール依存症という治るのが難しい病気自体が、
結局、治りにくい認知症を引き起こしてしまっています。